第五回 どこにリアルはあるの?(2) |
|
|
熊田
|
また、話関係なくなっちゃうんだけど、
友達と一週間位ねえ、ちょっと八ヶ岳の方に、
山登りにいこうっていう、
でも、雨が降って登れなかったわけ |
兜 |
はあ |
熊田 |
で、その後にそいつの田舎が
群馬にあるんだけど、
おれ、そいつの実家に毎年みたいな感じで
いくのね。 |
兜 |
はあ、いいっすね、それね |
熊田 |
それでね、酒飲んでて、夕方3時位から、
酒飲みだすのよ。あの、その友達の
実の父親がいて、母親東京住んでるだけど
そいつも東京住んでて、父親だけ自分の実家
にいるのね。ばあちゃんと、その父親の母ちゃんね、
それでね、近所にその兄弟がいるのね
で、飲もうということで、ずっと飲んでたんだけど |
兜 |
はあ、 |
熊田 |
で、そこで、オレ思ったんだけど、
おれは部外者だけど、
常に酒飲んでると、田舎の話をしているから
家族の話ばっかするわけよ。
おめえのちっちぇえときはこうだったとか
じいちゃんの話が結構でてくるのよ |
兜 |
はあ |
熊田 |
おれの友達がじいちゃんの話を聞きたがるの
ずうっと終始そういう話をしているんだけど
そのときにねえ、
おれねえ、人の家入ってるのに、
なんか、じいちゃんがねえ、
そのときに話していると
すごい実体感ていうか、なんかすごいリアルに・・・ |
兜 |
ああ、 |
熊田 |
じいちゃん、これだけ話されて、
じいちゃん、これ死んでるの?
感じがある(笑) |
兜 |
ああ、 |
熊田 |
むしろ、死んだから・・・
いや、生きてたら、
い たらいたで話はしているんだろうけど
死んだ後にこれだけ話されてる人って、
すごいなあって、本当に |
兜 |
すごいですね。いや、死んでから
話されたほうがいいっすよ |
熊田 |
いやあ、それはね、死んでないん
じゃないかって思うんだよね。
死んでる生きてるって、あんまり
どっちでもいいんじゃないの |
兜 |
どっちでもいいです。あの肉の話ですよ |
熊田 |
そうそうそう、あるかないかって、だけで、
これだけじいちゃんの話されて |
兜 |
毎年されるんでしょ、結局、 |
熊田 |
毎年ってか、そう、そうですよ |
兜 |
うん |
熊田 |
そうそう、毎年、同じ話をしているんですよ
昔あ、裏に炭焼き小屋があってとか、
防空壕があってとか、
そんな話ばっか、毎年おんなじにしていると
思うんですよ |
|
|
兜 |
ああ、 |
熊田 |
でも、おんなじ話をしているんだけど、
その人達が実際にじいちゃんに会って、
しているわけだから、
なんか、こうじいちゃんの骨組みを
この人達が作って、体を、こう、肉を作って、
ような、そういう感じになるんですよ
酔っ払っているってのもあるんけど、 |
兜 |
わかんないですよ、
人間そうやって、できたかもしんないすよ |
熊田 |
そう、そう、そう |
兜 |
元々は、 |
熊田 |
元は、もしかしたら、そんな風に |
兜 |
話したら、出来上がったみたいな |
熊田 |
みるみるうちに、こう、骨組みができてとか |
兜 |
うん、 |
|
(つづく) |