対談 - Inside promenade
 
 

 

本に書いてあるような話、世間で話されているような話
には、もううんざりした二人がここにしかない話を二人だけ
で話すことがもったいない気持ちになったことから、この
ような対談形式で紹介してみます。
inside promenade=内的散策

 
 
 
 
兜 仁
34歳
新潟県生まれ
ARTをしている
熊田 昌彦
34歳
埼玉県生まれ
小説を書いている
 
 

第十回 健康か、健康じゃないか、それだけ
   
熊田 こういうことばっかいってると、
じゃあ、おまえ何にも出来てねえ
じゃねえか 、出来てねえ、おまえに
なんか言われたくないよって、
それは違うと思う、
キャリアで見たがる、
熊田 それ、おれ、一番くだらないと思う
キャリアとか、あとねオナニズムとか言う、
熊田 そうそう、そう、

あれ、すげえ失礼だなあ

熊田 ねえ、失礼だ
おれねえ、そこらへんてキャリアじゃないんですよ
健康か健康じゃないかなんですよ
熊田 そうそう、そうそう(笑)
そうですよね
熊田 正にそうです
気持ちが健康なのか、健康はこんな感じって
だけですからね
熊田 そうですよ
健康って、そんな難しいことじゃないと
思うんですよ
熊田 ないですよね
ここらへんの話はねえ、
あれですよ、評判悪いですよ
熊田 あははは(笑)、どこに評判
悪いんですか?
いやいや、
熊田 みんな、全体に?
そうですよ
熊田

そうかなあ、そこが評判悪いっていうか
そこが一番大事だと思うんですけどね

 

そうです。健康であることは大事

熊田 すごい大事だと思う
なんかね、色々な意味や文化において
不健康なことが多いですよね
熊田 多いですね
なんでもそうじゃないですか
不健康がカッコいいって、
熊田

そう、ちょっとねえ、退廃みたいな、

そうそうそう、なんか壁にあたる
のような、アウトロー的なちょっと
ひねくれてますよね、三男がグレて
飛び出した的な話ですよね
熊田 感じですね
そこで、水木しげるみたいなのが
健康でいいなって思うんですよね
熊田 本当ですよ、赤塚不二夫とか
健康すねえ、
熊田 なんでだろ?

健康なデタラメとかあるじゃないですか?

熊田 いやあ、全然ありますよ、うん
健康なカオスとか、
熊田 うん、どうしてカオスってなると
不健全になっちゃうんですかね?

おかしいですよね

熊田 そういうこととは
熊田 エキセントリックなことって、すごい
不健全に見られるじゃないですかねえ
なんかね、
エキセントリックというと、SMだとか
なんとかって、
熊田 そうそうそう、なんでもこう狂気みたいな、
サド侯爵とか、わかんねえけど、
熊田 そうそうそう、そういうふうに
結びつくじゃないですか
そんなことないんですよ
健康なエキセントリックだって全然あるんですよ
ウメズカズオみたいな、健康なああゆう(笑)
熊田 そうそう、おれ、そっちの方がむしろ、
すごいリアルだと思うんだけどねえ
リアル、実態がありますよ
熊田 なんかね、変態そのもののエキセントリックって
面白くないですよ、なんていうのかなあ
面白くないですよ、全然。
熊田 あれはねえ、簡単なんですよ、やれば
人間の元々もっている人間を殺したり
手首を切ったり、体をバラバラにしたりとか
人間の元々持っているもので
それをなんかね、極端な表現だなんだって
ありがたがる、
熊田 そうそう、あるでしょ、そういう風潮っていうか、

それをねえ、心理分析の人が、ごちょごちょ、
ねえ解釈して難しくさせて、

熊田 そうそう、
どうだっていいんですよ!あんなもんは!
熊田 どうでもいい
心理学者もどうでもいいし、
その事件もどうでもいい、
熊田 どうでもいいですね
ワイドショーで流さなければいいんですよ、あれ
熊田 あれはねえ、いらないですよ
一切いらないですよ、改悪しかなっていない
混乱しか、
熊田 混乱させておいて、まじめな顔をして、
どうしたらいいでしょうか?なんて
自分で混乱させているのを気づいていない
あれも一つのエンターテイメントだと、
熊田 そういうふうにまあ、見ればいいですけど
ていうか、局はそういう考えなんじゃないですか
熊田 ああ、でも、見てるほうはさあ、
真剣に見るでしょ、結構
うん真剣に見てますよ。由々しき問題だとかって
熊田 そういうふうに流しているから
一般の人も、分析しだしたりして
おれ、あれに関しては、エンタテイメントだなんて
相対化はしないですわ、不健康なことはねえ、
相対化したくない。色々なもの相対化させるけど
熊田 やっぱり、あそこはおかしいなあって物はねえ
別に相対化しなくていいんですよ
別に相対化やればできるんだけど
それを選択はしないですね
熊田

うん。格好とか普通なんだけど、考えていることが
ものすごいエキセントリックとかは、すごくいいと思う、

そういうのは、いかにもさあ、エキセントリックやる
人って、格好からおかしくなっちゃうでしょ、
そういう風にしなければならないじゃないけど、
エキセントリックな人はそういう風体をしなければ
ならないというのが、どっかにあるんでしょうねえ

うん
熊田 全身刺青を入れてみたりとか
全然簡単なことですもんねえ、やれるのは難しい
けど、発想は簡単
熊田 そう、発想は簡単なんですよ、だからねえ、
この前、読んだ本で、誰か忘れたけど
人の悪いこと、ナチの収容所で、どんどん釜
にいれて焼いちゃうとか、ああゆうことは
ものすごい陳腐であることを書いてあった
ああ
熊田 人間の悪ってのは、すごい想像が簡単なことだって
いう、あんなものは想像力でもなんでもないっていう、
ことなんですよ、簡単なんですよ
なんで簡単かというと、いいの反対だから、
正しいの反対、
熊田 そう、考えてないんです
で、榊原君の犯罪をどっか、クリエイトで
見てますよね
熊田 見てる。あんなん全然クリエイトじゃない
ああ、してないっすよ。あれ、クリエイトで見てる
から面白がっているんですよ
熊田 榊原の文とかさ、あいつの家の部屋にさあ
首切った人形が置いてあったとかさあ
いやあ、陳腐なんですよねえ
熊田 陳腐だねえ、本当にもう、貧しい発想が!
それを見て、なんてこの子は恐ろしい子だとか
いうでしょう
もうねえ、世間は、言わないけど
奇才(鬼才)だと思ってるんですよ
熊田 そうです、そうです奇才ですよ
奇才って全然違う
熊田 全然違う。もう全然わかってないよお
奇才って一番面白いのに、
熊田

そう、そういう奴に奇才だっていうことによって
奇才が落としめられていますよね

うん
熊田 だから、不健全なエキセントリックもの
というのは面白くない
そう
   
  (つづく)
 
 
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