第十一回 もしも持ち上げられたら? |
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兜 |
あのね横尾忠則とか
みんな、先生、先生いいすぎですよ
普通の人でいいんすよ |
熊田 |
そうそう、普通の人なんですよ
あのね、どっかでなんか
権威つけたがるんだよね |
兜 |
そう、リスペクトとかアホな
言い方いうから |
熊田 |
そうそう、そう、 |
兜 |
普通の人でいいんすよ
おっちゃんで、 |
熊田 |
おっさんですよね |
兜 |
おっさんでいいんすよ
うんこ頭の上に
乗っけてもいいんすよ(笑) |
熊田 |
そうそう、そうそう(笑)
なんでもかんでも
そうやって、よくないですよね
日本の悪弊ですかねえ
うーん。 |
兜 |
人間たいしてレベル
変わんないじゃないですか |
熊田 |
まあ、それはそうだよね |
兜 |
あれ、よくないですよ
あれ、なんでよくないかというと
目が鈍る |
熊田 |
そうそう、うん |
兜 |
非常に |
熊田 |
うん |
兜 |
どっかのおっさんが何曜日に
描いた絵でいいんすよ |
熊田 |
うん |
兜 |
すごいものだとしても |
熊田 |
なんでも権威にしちゃうからねえ |
兜 |
そうですよ |
熊田 |
それで問題なのは、
周りが持ち上げたとき
その人が
持ち上がっちゃうのね
いっしょに
ヤメロっていわないで
自分もその気になる
ことが一番やだあ |
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兜 |
ああ、横尾さんそこは
持ち上がってないから
強いんですよね |
熊田 |
それが普通なんですよ
本当は
人間の性質からいうと
もちあがっちゃいやすい
もちあげられると
うっーとその気に
なっちゃう |
兜 |
そうそう |
熊田 |
そうなっちゃうと
そいつはないな
ってことなんだけど |
兜 |
大変だと思いますよ
持ち上がらないように
することは |
熊田 |
持ち上げられないように
するってことね |
兜 |
うん。タクシーだなんだ
なんでも用意してくれる |
熊田 |
周りがね |
兜 |
フランス料理だ、なんだか
わかんねえけど |
熊田 |
どうします?
兜さんそうきたら
おれ、全部そういうの
断ると思う |
兜 |
ああ、そうすか |
熊田 |
いいよ、やんねえで
なんで、そんな無駄
なことやってんのって
放っといてくれる
って感じ
なると思いません? |
兜 |
ああ・・・熊田さんはなりますよ
そこらへんは強いですよ |
熊田 |
どうでもいい、そんなくだらないこと
今、おれはおれがやりたいこと
やるんだよって |
兜 |
おれは、考えてそこらへん
つくってきた人間だから
天然じゃないですよ |
熊田 |
あはは(笑)
でも、結果的に
いっしょじゃないですか
違います? |
兜 |
いや、違います
質が違います |
熊田 |
おんなじじゃないですかね |
兜 |
おれは、そういうアホな
話になんないように
自分を監視してないと
ヤバイなって |
熊田 |
ああ、じゃあ持ち上げれるときは
持ち上がる |
兜 |
そう!ちょっと持ち上がる(笑) |
熊田 |
あははは、(笑)
ああ、そう |
兜 |
はい |
熊田 |
ああ、でもそれは兜さん
それはないよ
兜さんは |
兜 |
うん・・・
点検は厳しいから
多分、点検して
補正していくんだろうけど、 |
熊田 |
うん |
兜 |
だけど、レベルとしてねえ
ちょこっとだけど
鼻高くなるのかも
しれないなあ・・・ |
熊田 |
なるのかなあ?
おれ、でもそうなっちゃうと |
兜 |
あれ、気づかないレベルで
なってたりするじゃないですか
そういうこと |
熊田 |
ああ、なるほどね |
兜 |
でも、エゴってなくさないと
なんもダメっすよ |
熊田 |
うん、 |
兜 |
なんもないっす |
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(つづく) |